年収1,000万円は何人に一人?手取りは?職業は?
時事ニュース
最終更新日 2022/06/20
「高級取り」「どんな職業につけば年収1,000万円も稼げるの?」「年収1,000万円稼ぐ人は日本にどのくらい?自分が住んでいる県ではどのくらい?」「手取りは?」など、さまざまな感想がありそうですね。
そこで今回は、年収1,000万円というキーワードにまつわる統計や職業などをご紹介します。
年収1,000万以上の人は298万人?
所得階層 | 推定員※1 | 何人がこの階層以上の層に含まれるか | 階層の割合 | 何人中1人が、この階層以上の層に含まれるか |
---|---|---|---|---|
計 | 64,188,985人 | – | 100% | – |
0円 ~100万円 | 8,980,476人 | 64,194,561人 | 13.99% | 1 |
100万円 ~200万円 | 10,714,785人 | 55,214,085人 | 16.69% | 1.2 |
200万円 ~300万円 | 9,457,520人 | 44,499,300人 | 14.73% | 1.4 |
300万円 ~400万円 | 9,696,717人 | 35,041,780人 | 15.11% | 1.8 |
400万円 ~500万円 | 8,077,321人 | 25,345,063人 | 12.58% | 2.5 |
500万円円 ~600万円 | 5,580,712人 | 17,267,742人 | 8.69% | 3.7 |
600万円円 ~700万円 | 3,564,458人 | 11,687,030人 | 5.55% | 5.5 |
700万円 ~800万円 | 2,432,285人 | 8,122,572人 | 3.79% | 7.9 |
800円 ~1,000万円 | 2,707,128人 | 5,690,287人 | 4.22% | 11.3 |
1,000万円 ~1,500万円 | 2,027,382人 | 2,983,159人 | 3.16% | 21.5 |
1500万円 ~2,000万円 | 515,669人 | 955,777人 | 0.80% | 67.2 |
2,000万円 ~3,000万円 | 236,923人 | 440,108人 | 0.37% | 145.8 |
3,000万円 ~5,000万円 | 122,696人 | 203,185人 | 0.19% | 315.9 |
5,000万円 ~1億円 | 56,939人 | 80,489人 | 0.09% | 797.5 |
1億円 ~2億円 | 16,213人 | 23,550人 | 0.03% | 2,725.60 |
2億円 ~5億円 | 5,405人 | 7,337人 | 0.01% | 8,748.70 |
5億円 ~10億円 | 1,237人 | 1,932人 | 0.00% | 37,224.10 |
10億円 ~20億円 | 442人 | 695人 | 0.01% | 92,358.30 |
20億円 ~50億円 | 206人 | 253人 | 0.00% | 253,711.40 |
50億円 ~100億円 | 31人 | 47人 | 0.00% | 1,365,723 |
100億円超 | 16人 | 16人 | 0.00% | 4,011,812 |
※1推定人員は、「令和元年度分民間給与実態調査」および「所得階級別人員」より、「給与所得者数+確定申告者数-確定申告者かつ給与所得者であるものの数」として求めた。
推計すると、日本に年収1,000万以上を稼いでいる人は、298万人ほどいることがわかります。つまり、所得を得ている人のうち約21人に1人が、1,000万円以上を稼いでいるということになります。
また、所得を得ている人には、給与所得者や事業所得者、不動産所得者がいます。給与所得者とは、勤務先から仕事の対価としてお給料(賃金)や賞与等の給与所得を得ている人のことを指します。以下の段落では、給与所得者の焦点をあてて説明いたします。
年収1,000万円以上の給与所得者は日本にどのくらいいる?
国税庁の民間給与実態統計調査(令和2年)によると、日本の給与所得者5244万6000人のうち年収1,000万円を超える人は、238万6,000人でした。
男女別でみると、男性214万9,000人、女性23万7,000人です。つまり、給与所得者(事業所得者や不動産所得者を含んでいない)のうち日本で年収1,000万円を超える人は全体の約4.5%で、約22人に1人ということになります。
20に1人は、やはり少ないという印象です。学校のクラスで考えると、1クラスに2人であり、学生時代いつも成績トップだったあの級友も、今では年収1,000万円超えワーカーになっているかもしれませんね。
さらに、細かく年収の分布(年収1,000万円超~)を見てみましょう。
男女別年収1,000万円以上の人数と割合(給与所得者)
年収1,000万円以上の男性(給与所得者)
給与所得者の男性:日本全体3076万7000人
年収 | 人数 | 全体に占める割合 |
---|---|---|
1,000万円~1,500万円以下 | 158万9,000人 | 全体の5.2% |
1,500万円~2,000万円以下 | 33万5,000人 | 全体の1.1% |
2,000万円~2,500万円以下 | 11万2,000人 | 全体の0.4% |
2,500万円以上 | 13万3,000人 | 全体の0.4% |
女性:日本全体2167万9000人(給与所得者)
年収 | 人数 | 全体に占める割合 |
---|---|---|
1,000万円~1,500万円以下 | 16万4,000人 | 全体の0.7% |
1,500万円~2,000万円以下 | 4万9,000人 | 全体の0.2% |
2,000万円~2,500万円以下 | 1万2,000人 | 全体の0.1% |
2,500万円以上 | 1万2,000人 | 全体の0.1% |
※1年を通じて勤務した給与所得者の統計です。
(国税庁民間給与実態統計調査|令和2年を参考にして作成)
上記統計から分かるように、年収1,000万円を超える人は女性よりも男性のほうが大幅に上回っています。
日本では男女の賃金格差が大きく、OECD(経済協力開発機構)の統計によれば、韓国に次いで男女の賃金格差ワースト2位ともいわれています。
考えられる要因として、結婚や出産による環境の変化や、未だ残る男女分業といった固定観念などがあり、女性の正規雇用率が低くなっている背景があるようです。
県別年収1,000万円以上の人数と割合(給与所得者)
次に、青森、宮城、茨城、埼玉、東京、神奈川、大阪、愛知、石川、広島、福岡、熊本での統計を見てみましょう。
県名 | 給与所得者数 | 1,001万円~100億円超え 給与所得者数 |
割合 |
---|---|---|---|
青森県 | 20万9,430人 | 6,683人 | 3% |
宮城県 | 38万5,938人 | 1万8375人 | 4% |
茨城県 | 49万2,326人 | 2万999人 | 4% |
埼玉県 | 124万3,587人 | 7万951人 | 5% |
東京都 | 289万7,504人 | 33万6,227人 | 11% |
神奈川県 | 168万3,008人 | 13万5,227人 | 8% |
大阪府 | 141万9,555人 | 9万3,227人 | 6% |
愛知県 | 129万2,102人 | 9万1,175人 | 7% |
石川県 | 19万6,111人 | 9,121人 | 4% |
広島県 | 49万4,209人 | 2万3,947人 | 4% |
福岡県 | 79万9,845人 | 4万3,903人 | 5% |
熊本県 | 28万1,296人 | 1万1,962人 | 4% |
やはり、東京都は11%と最も高く、首位を占めているのがわかります。
次いで神奈川県の8%、大阪は6%、愛知は7%で、高額給与所得者は都市圏に集中している印象です。
年収1,000万円稼ぐ職業とは?(給与所得者)
民間給与実態調査「業種別給与階級分布」によれば、「電気・ガス・熱供給・水道業」「金融業・保険業」「情報通信業」は年収1,000万円を超える人が多くいるようです。
いずれも人間が生活していく上で、なくてはならない職業であり、安定した需要があるのが特徴といえます。
その他、年収が高いといわれている職業6種をご紹介します。
【医師】の給与所得
医師の平均年収は1,000~1,500万円です。
医師は、開業医や勤務医、年齢によっても金額の幅が大きく異なるようです。
都心の病院よりも地方の病院のほうが、医師不足という理由で年収が高くなりやすい傾向にあります。
順位 | 県 | 合計 |
---|---|---|
1位 | 山梨県 | 1,863.1万円 |
2位 | 群馬県 | 1,819.4万円 |
3位 | 愛媛県 | 1,800.8万円 |
4位 | 岐阜県 | 1,787.4万円 |
5位 | 石川県 | 1,780.9万円 |
令和2年賃金構造基本統計調査を参考にして作成
また、年収は高いですが、人の命を扱う職業ということもあり、30時間以上の連続勤務をする医師もいるなど、過酷な労働条件のもと働いている医師も少なくないようです。
【会社経営者】の給与所得
上場企業と上場企業に匹敵する非上場企業当計3,738社を対象とした調査によると、会社経営者(社長)の平均年収は、4,554万円です。
さらに細かく見ると、従業員1,000人以上の経営者の平均年収は6,116万円、従業員300人以上999人以下の会社になると、平均年収は4,167万円、従業員が300人未満の会社では平均年収3,334万円となっています。従業員の数が多いほど年収が高くなる傾向です。
(役員報酬賞与等の最新実態参考に平均年収を記載。)
【パイロット】
パイロット(航空機操縦士)の平均年収は約1,725万円です。
大手航空会社の機長となれば、2,000万円を超える場合もあるといわれ、これまで憧れの職業とされてきましたが、昨今の新型コロナウィルスの影響により、年収が大幅に落ち込んでいる会社もある状況です。
新型コロナウィルスの収束の兆しは見えず、平均年収が今後どのように推移していくのか気になるところです。
(平均年収:賃金構造基本統計調査参考)
【金融系専門職】
金融系専門職の種類はさまざまです。株式や投資信託などの仲介を担うディーラーや
トレーダー、投資家から預かった資金を運用するファンドマネージャーなどがあります。
このような職業も年収1,000万円を超える場合が多く、外資系であればさらに高い年収が得られるようです。
【商社マン】
5大商社といわれる「伊藤忠商事」「三菱商事」「三井物産」「住友商事」「丸紅」の平均年収は以下のとおりです。
- 三菱商事…平均1,678万円(平均42.7歳)
- 伊藤忠商事…平均1,627万円(平均42.0歳)
- 三井物産…平均1,482万円(平均42.1歳)
- 住友商事…平均1,356万円(平均42.7歳)
- 丸紅…1,192万円(平均42.2歳)
(各社有価証券報告書を参考に作成)
いずれも平均年収は1,000万円超えですが、年収1,000万円を超えるようになるのは30代に入ってからのようです。
商社マンと聞くと、「仕事のスケールが大きくてかっこいい」などといったイメージがありますが、その仕事内容は「激務」といわれており、時間の融通がきかないことや健康不安が生じるなどの欠点があることも否めません。
年収1,000万円の手取り金額は?
年収1,000万円の手取り金額は、独身者・既婚者・年齢など様々な環境によって異なりますが、年収1,000万円に対しておおよそ3割弱減の金額(700万~750万円)です。
手取り金額とは、税金や社会保険料(厚生年金保険・健康保険・介護保険・雇用保険・労災保険)を引いたものであり、実際に手元に入るお金のことです。
独身者であれば手取り700万円は積極的に自己投資ができそうですね。
「年収1,000万円以上」のリアル
年収1,000万円は、そうそう簡単には稼げる額ではありません。働く人にとって、憧れの年収であり、ひとつの大きな目標値でもあります。
年収1,000万円以上を稼ぐ人のリアルはどのようなものなのでしょうか。
高額給与所得者は税金の負担が大きい
2020年の税制改正により、基礎控除は38万円から48万円にアップしましたが、年間所得2,400万円以上の人は控除額が段階的に引き下げられ、2,500万円以上の人は基礎控除「なし」となりました。
また、給与所得控除に関しては、控除が適用される給与所得の上限が1,000万円から850万円となり(場合により適用外)、控除の上限は220万円から195万円に変更されました。
この変更により、年収1,000万円の会社員は所得税と住民税を合わせ、年間約4万5,000円の増税となります。
月にすると3,750円なので、気づかない程度かもしれませんが、4万5,000円は単身者の一か月の平均食費に相当する金額であることから、それなりに大きな支出とも考えられます。
さらに、税金の括りでいうと、2021年11月に18歳以下の子育て世代に対し、年収960万円を超える世帯を除き、10万円相当を給付するといった「給付金」問題にも注目が集まりました。
この給付金の問題点は、共働き夫婦の年収がそれぞれ950万円だった場合、この給付金の制限には該当せず、妻が専業主婦で夫の年収が960万円を超える額だった場合は、給付金の制限を受けることになるといった点です。(※子どもの人数によって制限が異なります)
この所得制限が混乱を招き、政府は2021年12月14日に「自治体が独自で財源を確保して行う工夫の一つ」として所得制限をなしにすることを容認する考えを示しました。
このように、高額給与所得者はさまざまな場面で公的な援助の制限をかけられていることがわかります。
先で年収1,000万円超え職業について解説しましたが、どの職業も重大な責任を担っており、仕事にかける時間や労力は所得と比例もしくはそれ以上です。
こういったことから、高額給与所得者からは「それなりに努力して稼いでいる。高額給与所得者ばかり税金の負担が増えるのはおかしい」「高い税金を納めているにも関わらず、所得制限ばかりで援助が届かない」などの不満の声も少なくないようです。
気になる税金。8割以上が相続税で損している?
高額所得者が亡くなった際、相続税が発生する場合があります。
相続税は、遺産総額が3,000万円+法定相続人の人数×600万円である場合、相続した遺産にかけられる税金です。
相続した財産に土地が含まれていた場合、相続税で数百万円~数千万円損することがあります。
実際、他税理士が作成した申告書を当事務所が見なおした所、8割以上の申告書に相続税の過払いがあったことがわかっています。
相続税を算出する際の土地評価額は、土地売却額とは違い、様々な減額要因があります。
土地の現地調査に行かなければ、正確な土地評価はできません。多くの税理士は、この減額要因を考慮せず、相続税申告を行っているのです。
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また、これから相続税申告をする予定のある方は、「相続税で損しない」ために、税理士をの選び方の知識を得ることが大切です
一度、相続税に強い税理士の選び方の記事をご参考にしてください。
当事務所は、相続税申告も行っています。
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「年収1,000万円」のまとめ
年収1,000万円を超える人は日本で5%ほどであり、ごくわずかな人に限られています。
そして年収1,000万円の手取り額はおおよそ700万円~750万円。しかし、年収1,000万円ほど稼ぐ人たちは、所得制限などによって公的な援助を受けられる対象から除外されることが多く、何かと手取り額が減ってしまうのというのが現実のようです。
この記事の監修者
税理士岡野 雄志
相続税専門の税理士事務所代表として累計2,542件の相続税の契約実績。
専門書の執筆や取材実績多数あり。
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岡野雄志税理士事務所は、ご相談やご契約の99%以上が相続税の国内でも数少ない相続税を専門に取り扱う税理士事務所です。
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