「相続を終えた後」
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「相続税の税務調査のペナルティ」が重い理由を税制から考える

相続を終えた後

最終更新日 2023/04/12

「相続税の税務調査のペナルティ」が重い理由を税制から考えます。税務調査が入らないのは良いこと?

相続税の税務調査のペナルティ

税金だけでなく、払うべきお金を払いそびれてしまったら延滞金がかかります。それがレンタルDVDやCDなどの100円単位のものであれば軽いもので済みますが、税金はそのような程度で済みません。

とくに相続税では、申告漏れや申告のし忘れに対するペナルティが重く、延滞金だけでなくそれに伴って他にもさまざまな税が課されます。

相続税の申告漏れや申告忘れのペナルティは重い

相続税の税務調査で、申告内容に間違いがあるとわかったとき、納税者は修正申告を求められたり、更正処分を受けます。そのとき改めて納める税がいくつかあります。

延滞税

決められた期限より遅れて税金を払ったときに発生する税です。税務調査で申告漏れを指摘されて修正申告をする場合は、本来申告しなければならない期限を過ぎているため、必ず発生します。

本税

本税とは、申告から漏れてしまった相続税のことです。申告漏れを指摘されると正しい税額に修正されます。本税の額をベースとして加算税が課されます。

過少申告加算税

財産を隠すなどの意図がなく、うっかりミスで申告漏れに至ったケースに課されます。悪意はないとみなされるので、増額された本税の10%分だけ課税されます。

重加算税

財産を隠したり、わざと少なく申告したり、意図的に申告しなかったとみなされたときに課されます。増額された本税の35%分課されることになりますが、申告しなかった場合は本税の40%分にも及びます。調査官の目の付け所は重加算税にあるようで、税務署内での評価が高く、出世にも有利に働くのだそうです。

無申告加算税

相続税がかかるのに申告をしなかったときに課されます。無申告加算税は本税の15%分だけ課税されます。意図的に申告しなかった場合は重加算税とみなされます。

相続税は「払う税額を自分で知って、自分で払うもの」

日本の納税制度は「申告納税方式」を基本としていて、この方式には相続税や法人税、所得税などの税金があてはまります。

「申告納税方式」とは、納税者自身が納めるべき税金を自分で計算して、自分で税務署に申告すること。相続税では、被相続人が残した財産について、相続人(納税者)が納める税額を計算して、それらを申告書に記入して税務署に提出します。つまり、「申告納税方式」では、申告のすべてが納税者自身にまかせられているのです。

その一方で、自動車税や固定資産税などは「賦課課税方式」にあてはまります。「賦課課税方式」では、納めるべき税額があらかじめ国や地方公共団体によって計算されていて、納税者に通知が届きます。

「申告納税方式」は「賦課課税方式」と違って、計算から申告までのすべてが納税者自身にゆだねられています。払うべき税金がきちんと申告されているかどうかを確かめるために、税務署の監視が必要になります。とはいえ、税務調査が入るのは払うべき税額よりも少ない額を申告したときだけで、どれだけ多い額を申告しても何も指摘されないのが現実です。

死人に口なしだからこそペナルティを課しやすいのが相続税

相続税は、納税者となる相続人自身が被相続人の財産から納めるべき税額を計算して申告するものです。納税者からすれば、納税に関するすべてのことが自分自身にまかせられているわけで、自分が正しい税額より多く払っているのか、少なく払っているのかどうかがわかりません。

ましてや、所得税などの税とは違って、相続税の対象となるのは自分の財産でなく、すでに亡くなっている人の財産。死人に口なしで自分が把握している被相続人の財産がすべてとは限らない場合もあるでしょう。どれだけまめに財産を調べあげて納得のいく申告書を作ったとしても、何らかの申告漏れで税務調査が入ることも。

そんなリスキーな相続税申告だからこそ、相続人としては税務調査が入らないように計算して出した税額よりもやや多めに申告してしまいますよね。確かに税務調査が入らないほうがやっかいになりませんが、税務調査が入らずに済んだといっても本来申告すべき税額よりも多く納めているかもしれないことも考慮に入れると良いでしょう。

相続税の税務調査の時効は申告の期限から5年。また、払いすぎていた相続税を取り戻せるのも申告の期限から5年と同じタイミングです。5年を過ぎれば申告した相続税について税務署から何も言われないという保証はありますが、払いすぎた相続税が戻ることはありません。

税務調査が入って申告漏れに気づいて改めて税金を払うか、一方で相続税をやや多めに払ってそのままにしておくかどうかの選択は相続人にゆだねられます。税務調査が入ったとしても、修正申告をこまめに出して更正処分を受ければ不服申し立てができます。逆に言えば、申告をしてから5年のうちは、何らかのアクションを起こせるチャンスがあるといえます。

この記事の監修者

顔写真:税理士 岡野 雄志

税理士岡野 雄志

相続税専門の税理士事務所代表として累計2,542件の相続税の契約実績。
専門書の執筆や取材実績多数あり。

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