【ゆうちょ銀行】口座凍結解除方法、必要書類を紹介
相続の発生時
最終更新日 2023/04/12
ゆうちょ銀行は他銀行と多少異なるところがあり、相続確認票の提出によって手続きがスタートするところが独特です。
また、ゆうちょ銀行の場合、必要書類の提出は郵送不可とされており、平日の9時~16時の開店時間の間に直接出向く必要があるため、時間に余裕がある相続人が代表となって手続きを進めるか、司法書士や弁護士に口座凍結解除の依頼をするとスムーズでしょう。
今回は、「ゆうちょ銀行口座凍結解除」の一般的な手続きについて解説していきますので、ご参考ください。
【ゆうちょ銀行】凍結された口座の解除手続き
ゆうちょ銀行口座凍結解除のおおまかな手続きの流れは以下のとおりです。
- ゆうちょ銀行に相続開始の申出をし、「相続確認表」を提出します。(このとき、現存調査の必要がある場合は「貯金等照会書」も一緒に提出します)
- ゆうちょ銀行から「必要書類のご案内」が送られてきます。
- ゆうちょ銀行から提示された必要書類(戸籍謄本等)を収集し、書類に必要事項を記入したら直接窓口に提出します。
- 提出した書類の内容をゆうちょ銀行が確認します。
- 提出した書類に不備がなければ貯金事務センターから「返礼証書」が送られてきます。
- 「返礼証書」に必要事項を記入し、ゆうちょ銀行の窓口に提出します。(このとき提出する人の本人確認書類が必要となるので、運転免許証もしくはマイナンバーカード等も持参しましょう)
- 亡くなられた方の資産が相続人に払い戻しされます。
相続確認表の取得場所と提出先
ゆうちょ銀行の相続確認票の取得場所と提出先は以下の通りです。
取得場所 | ゆうちょ銀行もしくは郵便局の窓口 ゆうちょ銀行ホームページ内からダウンロード |
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提出先 | ゆうちょ銀行の窓口もしくは郵便局の窓口 ※郵送での提出は受け付けていません。 |
相続が開始されると最低2回は平日の9時~16時の間にゆうちょ銀行の窓口に出向く必要がありますが、ご自宅にインターネットや印刷機があれば、ゆうちょ銀行ホームページ内にある「相続Web案内サービス」を利用して窓口に出向く負担を減らすことができます。
窓口に最低2回出向く場合 | 1回目:相続開始の報告・相続手続の説明 2回目:必要書類の提出 |
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相続Web案内サービスを利用した場合 | 自宅:相続Webサービスを利用して必要となる書類の案内を受ける。 1回目:必要書類を持参して窓口に提出 |
口座凍結解除手続きは、ゆうちょ銀行のどこの支店からでも手続きを行うことができます。
書類を直接窓口に持参して提出することを考えると、最寄りの支店で手続きを行うことが望ましいでしょう。
ゆうちょ銀行の場合、基本的には代表となる相続人の口座に払い戻しされます。
希望があれば個々の相続人に払い戻すことは可能です。しかし、相続人同士が遠方である場合は地方ごとの貯金事務センターで情報の共有をするために時間を要することや、払い戻しが一括ではないため、システム上非常に長く時間がかかってしまうというデメリットがあります。
また、払い戻しの際には他銀行の口座を指定して払い戻しすることはできないため、払い戻しを受ける相続人がゆうちょ銀行の口座を持っていない場合は、新しく口座を開設するか現金での払い戻しとなります。
貯金があるかどうかわからない場合
亡くなられた方名義の貯金の有無を確認したい場合や貯金通帳などの記号番号が不明といった場合は、「貯金等照会書」を提出すると2週間ほどで調査の結果が確認できます。
貯金等照会書は、直接窓口で取得またはホームページからダウンロードすることができ、提出の際には相続人であることを証明するため、貯金等照会書と併せて戸籍謄本等を提出する必要があります。
貯金等照会書の取得場所と提出先
貯金等照会書の取得場所と提出先は以下の通りです。
取得場所 | ゆうちょ銀行もしくは郵便局の窓口 (相続開始の報告で窓口に出向いた際に相続確認表と一緒にもらうことができます) ゆうちょ銀行ホームページ内からダウンロード |
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提出先 | ゆうちょ銀行の窓口もしくは郵便局の窓口 ※郵送での提出は受け付けていません。 |
貯金の現存調査のために必要となる書類
- 貯金等照会書
- 請求人の本人確認書類の原本(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 請求人の印鑑
- 相続人であることが確認できる戸籍謄本(亡くなられた方との関係性が分かるもの)
- 委任状(代理人が手続きを行う場合に必要)
口座凍結解除のための必要書類
口座凍結解除のために必要となる書類は、相続確認票の情報を基に提示されるため、個々によって内容が異なりますが、ここでは一般的に必要となる書類をご紹介します。
口座凍結解除のために必要書類は以下の通りです。
- 被相続人の生まれてから死亡までの戸籍謄本(結婚前に子どもが生まれている場合はそこまでさかのぼった戸籍謄本)
- 被相続人名義の貯金通帳とカード(紛失した場合は窓口で紛失の旨を伝えます)
- すべての相続人の印鑑証明書
- すべての相続人の署名押印をした「貯金等相続手続請求書」(貯金等相続手続請求書は必要書類のご案内に同封されています)
- 代襲相続人がいる場合は、代襲相続人の戸籍謄本
- 代表相続人の本人確認書類(必要書類等を窓口に提出する人)
- 相続関係説明図
- 遺言書の原本(遺言書がある場合に必要)※遺言書の種類が自筆証書遺言書や秘密証書遺言書であった場合は家庭裁判所で検認を行い、遺言書と併せて検認済証明書も提出します。
- 遺産分割協議書の原本(遺産分割協議を行った場合に必要)
- 委任状(すべての相続人で手続きを行わない場合や代理人に手続きを依頼した場合に必要)
また、その他、払い戻し時や名義変更手続きを行う際に必要となる書類は以下となります。
- 名義変更する相続人の実印と銀行印(名義変更を行う場合に必要)
- 相続人の口座開設のための書類(払い戻しのために新しく口座を開設する場合に必要)
必要書類の取得先と手数料について
口座凍結解除時の必要書類取得先と手数料は以下の通りです。
必要書類 | 取得場所/手数料 |
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戸籍謄本 | 本籍地の自治体で取得 手数料1通450円 |
戸籍の附票 | 本籍地の自治体 手数料1通300円 |
印鑑証明書 | 住民登録してある自治体で取得 手数料1通300円 |
相続関係情報説明図 | 法務局で取得 発行手数料は何通発行しても無料 |
遺言書 | 手元にある原本(コピー後返却されます) なお、公正証書遺言書や自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は公証役場に保管されています。 ※自筆証書遺言書と秘密証書遺言書の場合は家庭裁判所で検認を済ませ、検認証明書も必要となります。 |
遺産分割協議書 | 手元にある原本(コピー後返却されます) 委任状 ホームページ内からダウンロード可能 |
貯金等相続手続請求書の内容を書き間違えたときは
「貯金等相続手続請求書」と「国債等相続手続請求書」に記入する内容を書き損じた場合は、ゆうちょ銀行ホームページ内でダウンロードすることができます。
「貯金等相続手続請求書」をダウンロードする
「国債等相続手続請求書」をダウンロードする
口座凍結解除までの日数
口座凍結解除を申し出てから凍結されている口座が解除されるまでのおおよその日数は、1カ月ですが、必要書類の収集枚数や取り寄せ方法、払い戻しの方法によって日数は変動するでしょう。
亡くなられた方の貯金額が100万円以下だった場合は、簡易的な手続きで払い戻しをしてもらうことができます。
簡易的な手続きの流れは、代表となる相続人が「貯金等相続手続請求書」に必要事項を記入して払い戻しを受けるといったとても簡単な手続き方法です。
この場合、すべての相続人の印鑑証明書や署名押印などは不要とされるため、手間や時間の負担が軽減し、その分口座凍結解除までの日数も短縮されることになります。
簡易手続きのために必要となる書類(貯金額が100万円以下)
ゆうちょ銀行で簡易手続きの際に必要となる書類は以下の通りです。
- 貯金等相続手続請求書
- 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本
- 被相続人と代表相続人の関係性が分かる戸籍謄本
- 被相続人の通帳や証書
- 代表相続人の印鑑証明書(他の相続人の印鑑証明書は不要)
- 代表相続人の実印
- 代表相続人の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード等)
遺産分割前に葬儀費用などのお金が必要なときは
遺産分割前に亡くなられた方の家族の当面の生計や、葬儀費用の支払い等のために遺産であるお金が必要になった場合、凍結された口座から一定額引き出せる「仮払い制度」があります。
この制度は「家庭裁判所の判断により仮払いをする方法」と「家庭裁判所の判断なしで仮払いをする方法」があります。
家庭裁判所の判断により仮払いをする方法
家庭裁判所に仮払いの申し立てをしてお金を引き出す方法です。
お金の必要性が認められると、預貯金の全てまたは一部が仮払いされます。
家庭裁判所での仮払い制度のメリットは、仮払い額の上限がないことですが、申し立てをしてから、日数がかかるのがデメリットです。
家庭裁判所の判断なしで仮払いをする方法
金融機関窓口に直接依頼してお金を引き出す方法です。
家庭裁判所での仮払い額には上限がありませんが、金融機関での仮払いは150万円までと上限が定められており、相続人が単独で仮払いができる金額は以下の計算で決まります。
注1)同一の金融機関に口座が2つ以上あっても、上限額は合計して150万円です。
注2)相続人が単独で仮払いができる金額は金融機関ごとに150万円です。
相続税のご相談は相続税専門の税理士にお任せください
相続税の申告には期限があることをご存知ですか?
相続は被相続人の死亡と同時に開始されます。そして、相続税の申告は相続が開始されてから10カ月以内とされています。
相続税の申告書は添付書類を併せるとかなりの枚数となり、所得税の確定申告と比べて非常に複雑です。
そのため、相続する財産が高額な場合や評価が難しいとされている土地を相続している場合は、専門家である税理士に依頼したほうが確実に手続きを完了させることができます。
しかし、税理士にも専門分野があり、多くの税理士は所得税や法人税を専門としているため、相続税を扱ったことがない税理士も少なくありません。
実際、相続税を専門としている税理士が相続税申告手続きを行った場合と、専門ではない税理士が行った場合とでは相続税額の差は大きく、専門ではない税理士が行ったことで相続税を多く支払っているケースもあります。
岡野雄志税理士事務所は、創業以来相続税を専門としており、17年の信頼と国内屈指の豊富な実績で97%という圧倒的なお客様満足度を実現しております。
さらに、相続に関するご相談も各種専門家と連携しておりますので一括して解決できる体制が整っているため安心です。
また、相続手続きに詳しい司法書士のご紹介をすることも可能です。
- 相続税申告手続きを何から始めたらいいのかわからない
- 相続税の申告手続き期限がせまっている
- 口座凍結解除をしたいので、相続に詳しい司法書士や弁護士を紹介してほしい
- 相続税申告について気になっていることがあるなど
どのようなご相談でも構いません。
相続税の申告には10カ月という期限が設けられているため、疑問や不安は早めに解決しましょう。まずは気軽に利用できる岡野雄志税理士事務所無料相談にお問合せください。
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この記事の監修者
税理士岡野 雄志
相続税専門の税理士事務所代表として累計2,542件の相続税の契約実績。
専門書の執筆や取材実績多数あり。
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